書誌情報
論題:日本における食料安全保障政策の形成─食料情勢および農政の展開との関わり─
17.07.31[ 更新17.07.31 ]
- タイトル
- 日本における食料安全保障政策の形成─食料情勢および農政の展開との関わり─
- 要旨
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太平洋戦争以降における関連情勢の推移を辿り、わが国の食料安全保障政策がどのようにして作られたのかを概観した。
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日本は農地の不足から食料輸入により現在の消費水準を実現し,その結果として輸入依存のリスクを抱えている。食料自給率はその指標とみることができる。
20世紀半ば以降の食料危機はいずれも輸入の途絶や制限が関わっている。終戦前後は国内の不作も相まって配給の継続が危うくなるほどの食料不足が生じ,各種の統制措置がとられた。1973年の大豆危機は平時の禁輸措置によるものであり,国内市場の安定化措置や輸入の安定確保のための施策がとられ,大規模な国際農業協力や世界食料需給モデルも導入された。
食料・農業・農村基本法では食料の安定供給の確保が第一の基本理念となり,かつて用いられた緊急施策が平素から不測時の程度に応じて整備され,また頻度のより高い様々な不安定性や不確実性を軽減する方向へと施策が拡充された。
日本は輸入依存の一方で最低限必要な食料については主権の及ぶ国内生産による供給力を維持してきたが,近年その基盤が脆弱化しており,貿易自由化と人口減少に対応した再編が必要となっている。 - 刊行年月日
- 2017年08月01日
- 著者/
研究者紹介 -
平澤 明彦 (ヒラサワ アキヒコ) :基礎研究部 主席研究員 研究員紹介を見る - 掲載媒体
- 定期刊行物 『農林金融』
2017年08月号 第70巻 第8号 通巻858号 2 ~ 24ページ - 掲載コーナー
- 論調
- 第一分野
- (大区分):農林水産業・食品・環境 (詳細区分):国内農業
- 出版者・編者
- 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
- ISSN
- 1342-5749
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/6800.html