農林中金総合研究所

米国の中央銀行にあたる連邦準備制度（FRB）は現在、２％インフレ目標を金融政策の枠組みとして採用している。しかし、足元では枠組みの見直し作業を行っており、2020年半ばに枠組み変更についての発表が予定されている。こうした枠組み見直しの背景としては、インフレが目標の２％を長期にわたって下回っていることに加えて、政策金利が低く、不況期に必要な利下げ幅を確保できなかったことが考えられる。
本稿では、FRBの現在の金融政策の枠組みを概観した後、FRBを取り巻く環境と金融政策を行ううえでの技術的な問題に触れつつ、金融政策の枠組み変更がある場合の候補とされているいくつかのインフレ目標を解説する。また、イールドカーブコントロール（YCC）についての連邦準備銀行（連銀）関係者の意見も紹介する。