書誌情報
論題:スイス生乳割当制度の廃止とその後の展開─民間組織による供給と価格の管理─
20.11.02[ 更新23.11.22 ]
- タイトル
- スイス生乳割当制度の廃止とその後の展開─民間組織による供給と価格の管理─
- 要旨
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スイスでは政府による生乳の生産調整制度(生乳割当)を2009年に廃止して以来、民間の「業際組織」が生乳の供給調整と価格形成の仕組みを構築・運営してきた。供給管理(数量管理)の失敗や、乳業主導とみられる用途区分別乳価の形成、民間の輸出助成といった展開がみられる。業際組織のなかでは増産の有無による農家間の対立、あるいは生乳の売り手と買い手の利害対立がしばしば表面化し、運営は曲折を経ている。政府は生産者の組織化を促進して交渉力を持たせ、また法的裏付けの強化等により各種取組みを支えている。
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生乳割当廃止に伴う増産に市場支持の縮小、国際市況の変動や通貨高、その後はEUの増産も加わって「工場」乳価は低迷が続いている。それに対して高級チーズ用や有機生産の乳価は比較的高位で安定している。銘柄チーズは生乳割当と類似の供給調整によって付加価値を維持している。EUとのチーズ自由貿易による安価な輸入の拡大は乳価の低下要因とみられる。 - 刊行年月日
- 2020年11月01日
- 著者/
研究者紹介 -
平澤 明彦 (ヒラサワ アキヒコ) :基礎研究部 取締役基礎研究部長 研究員紹介を見る - 掲載媒体
- 定期刊行物 『農林金融』
2020年11月号 第73巻 第11号 通巻897号 17 ~ 37ページ - 掲載コーナー
- 論調
- 第一分野
- (大区分):農林水産業・食品・環境 (詳細区分):海外農業
- 出版者・編者
- 農林中央金庫 発行 / 株式会社農林中金総合研究所 編集
- ISSN
- 1342-5749
- 書誌情報URL
- https://www.nochuri.co.jp/periodical/norin/contents/8178.html