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石塚修敬

リサーチ&ソリューション第1部
2020年入社

入社のきっかけは?

 かつては「人のこころ」をケアする仕事に就きたいと思っていましたが、成績が伸び悩み結局農学部に。2年次進級時のコース選択では、再受験への未練を断ち切るがごとく「文科系」の農業経済を選択、そんな動機だったので、正直、勉強に身が入りませんでした。3年次、都内の実家に帰ると、子どもの頃よく遊んだ林地や野良猫を追いかけ足を踏み入れてしまった畑が住宅地になっていました。農地等の民有の“みどり”は相続を機に失われることが多いと知り、まもなく「都市農業」という言葉に出会いました。もっと詳しく知ろうと思って最初に手に取った都市農業に関する本は、農中総研の方が執筆者でした。 それは、都市農業をめぐる政策展開からその課題、現場の取組み等々、初学者にやさしい平易な文体で書かれていて、ようやく農業経済と向き合えるようになった気がして、卒論執筆の道標になりました。大学院進学後も、新たなテーマに触れるたびに、まずは総研のHPに掲載されているレポートを読んでいました。また、修論・博論の調査でJAの方にお世話になることが多かったので、一次産業にかかわる個人・団体・JAグループにむけて、そして昔の私のような迷える学生も含め、広く役立つ情報発信ができればと思いエントリーしました。

現在の担当は?

 担当業務は、花き生産・流通の動向調査、都市農業・農地の保全策の検討など様々です。この他に、温室効果ガス(GHG)の排出削減量を価値化して取引可能にする「J-クレジット制度」について、農業分野での活用事例の調査も担当しています。持続可能な農業の確立に向けて、生産現場においてもGHG削減が求められています。これまで調査した先では、単にGHG削減を目指すだけでなく、例えば未利用資源を活用して資源循環の構築を目指したり、環境配慮の農産物としてブランド化を目指したりと、奥行きがあり示唆に富む活動が展開されていました。このような創意工夫あふれる現場の取組みは、農業経営・経済学の枠に留まらず、環境学、商学、社会学などにも及び非常に学際的です。 農業が直面する大きな課題に対して、こうした現場からしか得られない一次情報と、公表統計などのデータを組み合わせて、独自の考察を加え、情報発信を行っております。その手段は、レポートとして定期刊行物に掲載したり、企業向けのレクチャーや農業関係団体に講演を行ったり、一般紙からの取材に応じたりと様々です。

今の仕事の魅力は?

 生産現場で農業者や団体の方とお話をすると、皆さま必ずと言っていいほど、次世代、地域の未来を見据えた“ビジョン”を持っておられます。広大な社会に対して自分は何が出来るか、何をすべきか、常に考え実践される姿に背筋が伸びる思いです。ただし言うまでもありませんが、そのような「温かいこころ」に感化されているだけで満足してはなりません。現場で学んだ事実は、努めて冷静に、議論・考察の場に持ち込まなければなりません。 地べたを這うように現場をしっかり調査するWorm’s eye viewによるFact findingが、論理的かつ説得的な考察によって想像性豊かに理論化されて、やがて社会を広く遠く俯瞰できるBird’s eye viewで締めくくられて発信される。こうした意識を常に持って調査・発信に努めるためには、これら2つのviewの解像度が高くあり続けるような研鑽が欠かせません。このような緊張感、重責感を味わうことができるわが社の研究員の業務は、大いに魅力あふれるものではないかと私は思っております。

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