
岡添巨一
リサーチ&ソリューション第2部
2023年入社
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入社のきっかけは?
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前職は、水産庁で漁業に関する国際交渉や資源管理に関わっていました。また、水産業は国際協調が求められる分野なので、国連食料農業機関(FAO)や国連本部での交渉も経験しました。スケールの大きい業務は面白かったものの、水産業は規制強化の議論ばかりで投資を増やす議論がないことに疑問を感じていました。FAOでは、1990年代から持続可能な漁業の実践のため多数のガイドラインを作ってきましたが、実施のリソース不足により本棚に仕舞われたままになっているという嘆きも多く聞きました。その状況は国内でも同じです。農中総研は、農林中央金庫のシンクタンクとして、現場とのつながりを重視しながら水産業に対する投資を促す役割を発揮できる立ち位置にいます。そこで仕事をしてみたいと思い、18年勤めた役所から転職しました。
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現在の担当は?
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リサーチ&ソリューション第二部サステナブルグループの主任研究員として、水産アナリストと、サステナビリティ推進のためのコンサルタントという二足の草鞋を履いています。水産アナリストとしては、水産業界の政策や市場の動向に関する調査、漁協との連携など、マクロ環境の変化から現場の取組みまで様々な世界をみています。コンサルティングでは、主に食品に関する企業を中心に、生物多様性に関する情報開示(TNFD開示)やその裏側にあるサステナビリティ戦略の策定支援などを行っています。
農中総研には、水産だけでなく食料・農業・林業分野の幅広い専門家が在籍しているので、コンサルティングにはそれら専門家との連携が不可欠です。この点が、農中総研の強みとなります。サステナブルグループの一員として、時には専門家をつなぐハブとなり、また、彼らと共同作業を行うプレーヤーとなりながら、様々なプロジェクトを推進しています。
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今の仕事の魅力は?
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コンサルティングでは、クライアントの皆様に貢献できる手触り感あるやりがいを感じています。アナリストとしては、一歩引いて俯瞰することで長期目線での課題感を蓄積できる面白さがあります。二足の草鞋は独立しているわけではなく、アナリストとしての知見をコンサルティングに生かすこともあれば、コンサルティングで得た他業界の強みを水産アナリストとしての提言に生かすこともあります。水産業への投資を増やすという(個人が勝手に掲げた)目標のもとでは、水産という軸を持ちながら幅広い業界の方々と仕事ができる環境は非常に恵まれています。二足の草鞋を履く大変さを感じることもありますが、そのような思いで日々楽しく業務を行っています。
農中総研は、食農分野で現場とグローバルをつなぐシンクタンクという唯一無二の役割を担える組織です。この分野で研究と実践を積み重ねながら業界の発展に貢献していきたい方にとっては、非常に魅力的な環境が揃っていると思います。